ネットワークハードディスク(NAS)とファイルサーバーの違いとは?

ネットワークハードディスク(NAS)は、従来からある「ファイルサーバー」と比べてどのような違いがあるのでしょうか?
どちらもネットワーク上からデータにアクセスできるという共通点はありますが、いくつか違う点があります。
今回はネットワークハードディスクとファイルサーバーの違いを比較しながらご紹介します。

ファイルサーバーとは

ファイルサーバーは、ネットワーク上でほかのコンピューターとファイルを共有したり、データのやり取りをしたりできるコンピューターのことです。どんなコンピューターでもサーバーにできるというわけではなく、耐久性やサーバーとしての機能を十分に果たせるスペック(能力)が必要になります。このようなパソコンは「サーバー用パソコン」、「サーバー専用機」などと呼ばれています。

メリット デメリット
  • 柔軟にユーザー管理ができる
    (企業でハードディスクを共有する際、人やグループによってアクセスできる制限を管理しやすい)
  • HDDの増設など拡張性が優れている
  • コストがかかる(サーバー用パソコン費用やWindowsのライセンス代、稼働中の電気代など)
  • 複数のファイルサーバーを使う場合、管理が複雑化してしまう

ネットワークハードディスク(NAS)とは

ネットワークハードディスクもファイルを共有して使用するという部分は、ファイルサーバーと変わりありません。ネットワークハードディスクの最も大きなメリットとしては、パソコンがなくても接続できるということが挙げられます。

メリット デメリット
  • 単体でサーバーとして動作させることが可能(サーバーとしての機能を維持する最低限のシステムは、ネットワークハードディスクの中に組み込まれているため)
  • ・コスト面が優れている(Windowsのライセンスや別途サーバー用のパソコンを購入する必要もないため)
  • ファイルサーバーと比べてユーザーやグループ管理の設定が手間
  • 拡張性が低い

ネットワークハードディスク(NAS)を選ぶべき理由

このようにファイルサーバーとネットワークハードディスクはどちらも一長一短があるため、どちらを選ぶか苦慮している人も多いと思います。しかし、ネットワークハードディスクのデメリットは、今後改善されていくことが十分見込めるでしょう。

例えば、手軽にアプリケーションソフトを追加することができるので、今後も新しいアプリが開発されれば、ユーザーのアクセス管理の設定が容易になるなど、便利になったり汎用性が高まったりすることが期待されています。

また、自動構成されるRAID(複数のハードディスクを1つのハードディスクとして管理する技術)により、万が一のデータ消失を防ぐ保守性が高まりましたし、アプリのバージョンアップが進んだことにより、Windowsサーバー機に近い運用をすることも可能になりました。

■RAIDはハードディスク(HDD)故障から復旧可能

1つのハードディスク(HDD)が故障しても

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以前はファイルサーバーが一般的でしたが、ネットワークハードディスクも注目されるようになってきました。社内のデータ共有やバックアップ環境を整えたいとお考えの人は、ネットワークハードディスクの導入も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
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